ミックスのレベルアップに日夜励んでいる方、簡単に「音像を広げたい!」「ステレオ感を増したい!」とは思いませんか?
最近では、そのようなリクエストにお答えする優れもののプラグインが星の数ほど存在します。
私も、様々なメーカーの様々なプラグインを、場面に応じて適宜使い分けています。
その中で、無償配布や超絶ディスカウントセールがあるIK Multimedia社のT-Racksシリーズで実現する「MS処理の技」は超おすすめです。
この記事では、とてもお得に入手できるT-Racksシリーズのプラグインを用いて、誰でも簡単に音像を広げてミックスのクオリティーを上げられることを目的としています。
IK Multimedia社のT-RacksシリーズをPCのプラグインフォルダーの中で眠らせている方、音像を広げるのに適したプラグインや手法を探している方に是非とも知ってほしい記事にしました。
最後までお読みいただければ嬉しいです!
結論
- IK Multimedia社のT-Racksシリーズのセール情報を常にウォッチすべし
- 無償配布があった際には迷わずゲット
- ピンポイントで狙うならGroup Buyキャンペーンが破格値でおすすめ
- 音像拡大にはM/Sモードのあるプラグインを使用する
- 個別のプラグインの本来の魅力自体がとても美味しい
はじめに
音像を広げる手段の一つとして、MS処理(ミッドサイド)という表現がここ数年になって定着してきました。
私がお仕事として楽曲制作やMIX依頼を頂戴し始めた15年くらい前は、MS処理は「誰にも言わずこっそりやる裏ワザ」として秘密裏に行っていたものです。
よく、クライアント様や同業の仲間から「どうやったらこれほどステレオ感が出せるの?」と頻繁に情報聴取されていました。
昨今では、純正のプラグインでもステレオ感を広げることを目的とした「Imager」などの優秀なものが搭載されていて、たいへん良い時代です。
でも、誰でもが同じようにできてしまうこともこれまた事実で、差別化を図るためにはサードパーティーのプラグインを美味しく活用することもおすすめです。
よく使うMS処理プラグイン
私がお仕事で使用しているMS処理プラグインの主なものをざっとご紹介します。
iZotope:Ozone Imager V2
Waves:PuigChild
このプラグインは強烈に素晴らしいです。
上図のモードで使用する方法を知っている方が意外と少ない。
是非、特化した記事を書きたいものです。
Plugin Alliance:Brainworx_bx_digital V3
マスターセクションには必須のプラグイン。
かなり細かな音作りを、大変わかりやすく調整可能です。
(見た目はとっつきにくいですが、、、実際は簡単!)
M/Sプラグインの本家といっても過言ではない。
Plugin Alliance:Brainworx_bx_stereomaker
極めて簡単に、期待を裏切らないステレオ感を作ってくれます。
モノ素材のステレオ化にも大変優秀です。
Plugin Alliance:Purple Audio MC77
これは最近最も出動率の高いプラグインの一つ。
兎に角、音が良い!!!
ドラムBUSからシンセまで、あらゆる音源に大活躍です。
Plugin Alliance:AMEK_EQ 200
最近のお気に入りEQ。
こちらも、兎に角、音が良い!!!
Steinberg:Imager
本家Steinberg純正プラグイン。
比較的最近の新しいプラグインで、かなり使えます!
各バンドごとに広がりをモノからワイドに調整でき、それぞれのアウトプット音量を調整できるのが秀逸。
K Multimedia:T-Racksシリーズ ←本記事の主役!!!
本記事の主役たちです。
あまりにも種類がたくさんあるので、取り急ぎ一部のみの画像で失礼いたします。
このMSボタンを押すところから、楽しい旅が始まります!!!
素材曲紹介
本記事で使用する素材曲は、以前の記事「DTMで楽曲制作!ベース作成 編」で使用したオーディオストック用の楽曲を用いました。
春をテーマとした楽曲で、軽めのリズムにビオラの旋律とストリングスアレンジを施したシンプルな素材です。
フルバージョンはこちら。
T-Racksシリーズ中「MS処理が美味しいプラグイン」
T-RackS 5 SEバンドルに含まれるものから
まずは最もお求めやすいバンドルであるT-RackS 5 SEバンドルに含まれるMS処理が可能なプラグイン。
T-RackS 5バンドルに含まれるものから
9種類のモジュールを収録したスタンダード版であるT-RackS 5バンドルに含まれるMS処理が可能なプラグイン。
T-RackS 5 Deluxeバンドルに含まれるものから
22種類のモジュールを収録した上位ラインナップであるT-RackS 5 Deluxeバンドルに含まれるMS処理が可能なプラグイン。
T-RackS 5 MAXバンドルに含まれるものから
38種類のモジュールを収録した最上位となるT-RackS 5 MAXバンドルに含まれるMS処理が可能なプラグイン。
MS処理としての使い方
MS処理ができるT-Racksシリーズのプラグインはかなりの種類があります。
MS処理機能は別にしても、どのプラグインもとても高品質。
MS処理としての基本的な使い方はどれも同じです。
その中から、過去に何度か無償配布になり、今年も年初に無償配布となった超おすすめイコライザーである「EQ 81」を用いてご説明します。
広大な音像の広がりをとことん楽しんでください!
(やりすぎると「くらくら」することがあるのでご注意を)
M/S処理のビフォーアフター
素材曲のマスタートラックに、IK Multimedia社のT-Racksシリーズの中から「MS処理が美味しいプラグイン」をいくつかインサートしてビフォーアフターをご紹介します。
※ヘッドフォンかステレオ感のわかるスピーカー推奨です。
T-Racksシリーズで私がよく使うものの中から、3つを厳選してご紹介します。
EQ-81
NEVEのイコライザーをモデルとした(と思われる)プラグインで、私はマスタートラックに挿入します。
無償配布されることもあります!!!
Bus Compressor
SSLのバスコンプレッサーをモデルとした(と思われる)プラグインで、私はマスタートラックのみならず、ドラムBUSにも高頻度にインサートします。
M/S処理と同時に各音源をうまくまとめてくれる効果にも大活躍しています。
Opto Compressor
これは絶対に外せません!
私が15年ほど前に「初めてMS処理をしたプラグイン」だからです。
最近、あまり出番はありませんが、当時の衝撃・感動はものすごかったです。
本当に多くの楽曲で「秘密裏」に使っていました。
【応用編】歌ってみた等のオケにVoのスペースを作る
ボーカルのスペースを確保するためにも大活躍します。
オケにインサートしたEQ81のM/Sモードにて、M(内側)のVoが来る帯域である「1.5~2.5kHzあたり(歌い手さんによる)」をカット。
こうすることで、センターに来るボーカルが収まる場所を作ることが出来、オケのイメージを大きく損なわずにボーカルがしっかり聞き取れてなじみます。
下図に、セットアップ例を掲載しますのでご参考にしてください。
最後に
今回ご紹介したT-Racksシリーズの「MS処理が美味しいプラグイン」たち。
是非とも多くの皆様に楽しんでいただきたいものです。
その存在を知ってしまえば使い方は簡単ですので、誰にでも広大な音像を手に入れていただけます。
しかし、MS処理のやりすぎは禁物です。
私はくらくらとめまいがします、、、
「適度」なかけ具合を意識することがポイントですね。
セールや無償配布を上手に活用して、一個でもよいのでMS処理が可能なプラグインを是非ともゲットしてみてください。
MS処理に限らず、積極的な音作りやきめ細かな繊細な音作りまで幅広く大活躍します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!