はじめに
Cubaseを使って様々なジャンルやスタイルの楽曲制作を、日夜励んでいます。
そんな中で、常日頃大変お世話になっているCubaseの個人的感覚での美味しい使い方を、
皆さんと共有できればいいなあ、、、という視点で、
色々と記事を書いてみたくなりました。
今回は、ベースにフォーカスを当ててみます。
まずは完成形から(前半部分のみです、、、)
曲名は「春の昼下がりにビオラ音色とEDMテイストでまったりと」、、、
なんのこっちゃ?という曲名ですが取り急ぎお許しを。
楽曲の一部がこちら。
全体はよければこちらでお聞きください。
この楽曲の意図
- 春の昼下がりにボケーっとしてる様をイメージ
- 実際の作曲時は、少々白目で頭がゆる~い状態で作成
- 「フルートとバイオリンを使おう」と思いつき
- リズムは打ち込み系のEDMテイストが若干入ったもの
- ベースはWaves Element2を使う(Twitterで公言済み)
- エレキギターのロック要素も少々 → 散らかりすぎでこれはボツ
- 皆さんがリラックスして聞いてくれたら嬉しい
- 曲の最後は「目を覚ませ!」の演出で覚醒させるオチ
今回のアプローチ手順(ベース作成まで)
コードを作成
まず、Scalerを使って気に入ったコードワークを考えます。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16_17h29_40.jpg)
私のCubaseでの制作テンプレートには、「MIDI Place」という「とりあえずのMIDI置き場」を用意しています。
ここにScalerからイメージに合ったコードをどんどんドラッグ&ドロップしていきます。
コードトラックを作成
「MIDI Place」あるMIDIの塊を選択して、
右クリックでCubaseの超優秀機能である「コードイベントを作成」を実行します。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image.png)
そうすると、バッチリとコードトラックにコードが展開されます。
超カンタンで、バージョンアップの度に精度が向上して賢くなってる。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-1-1024x123.png)
コードトラックを作成する理由
なぜコードトラックをわざわざつくるのか、、、
その理由は主に以下にて活用しているためです。
・メロディーライン作成時の時間短縮 → 修正が爆速
・ストリングス等のアレンジのガイド
・Riffer等の自動フレーズ生成プラグインを、転調等にしっかり追従させる
・Cubase付属のVariAudioでライン修正する際に活用
ドラムトラックを作成
Loopcloudにてイメージ合うリズムパターンを検索します。
今回のフィルタリングは「ドラム」「DeepHouse」「Loop」。
そして、基本となるリズムパターンを確定
↓
Cubaseのプロジェクトウィンドウにドラッグ&ドロップ
さらに、おかずパターンをLoopcloud上でザクザク加工
↓
良き出会いが来るまで「Random patten」ボタンを押しまくり
↓
Cubaseのプロジェクトウィンドウにドラッグ&ドロップ
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-2-1-757x1024.jpg)
ベースフレーズを作成
EZ Bassを美味しく活用
まず、MIDIのコードをEZ Bassにドラッグ&ドロップします。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-2-2-1024x412.jpg)
EZ Bass上で、ドラムパターンと相性が良く、曲のイメージに合うフレーズをあれこれ捜索します。
この時は最高に楽しい!
「これだ!」というパターンが出てくれば、「Replace MIDI」ボタンにて確定。
そして、Grid Editorモードで、違和感のある所をガシガシ修正します。
この時に、コードトラックでモニターする音源として、
何でもいいので軽めのピアノ等の音源を立ち上げてコード音を鳴らします。
今回はお約束の「HALion Sonic SE」でコードの白玉を聞きながらベースラインを修正。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-2-3-1024x569.jpg)
シンセベースを鳴らす
この曲の誓約事項である「Waves Element2を使う」ということから、
5年ぶりくらいに音源を立ち上げました。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-2-4-1024x776.jpg)
KompleteKontrol(VSTi)上で立ち上げることが多いのですが、
これは、私が愛用しているMIDIキーボードのKompleteKontrol S61で、
既にフィルターやエンベロープなどの主要パラメータがアサインされており、
オートメーションが簡単にかけるためです。
で、TYPESから「Bass」を選択。
イメージに合いそうな音色を次々と捜索。
結果、今回は「Doll Bass」という音色に決定。
広がりがあって太い音色です。
少々、パラメーターを修正して、より好みの音色に調整します。
EZ Bassで作成したMIDIフレーズをWaves Element2で使う!
ここがこの記事のキモ!
EZ BassのMIDIフレーズのブロックをWaves Element2のトラックにドラッグ&ドロップ!
たったこれだけ。
ただし、いざ鳴らすともの凄く変なベースラインになります。
これは、EZ Bassのアーティキュレーションがかなりの低音領域に入っているためです。
よって、今回はWaves Element2のMIDIノートからC1以下を全選択して「Delete」ボタンを一発。
これで、EZ Bassとほぼ同じフレーズをWaves Element2で演奏します。
シンセベースの音色の調整
Waves Element2がこの曲のベースの主役。
でも、少し弱っちいので、低域の量感を増やすためにWavesのR Bassを活用。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-2.png)
本当にいい仕事してくれます!
そして、Waves Q10にてリズムのキックとかぶる部分をカット。
今回は、たったこれだけのトリートメントで完了です。
で、シンセベースのみがこちら。
EZ Bassにも少し鳴って頂く
せっかくなので、EZ Bassも少し混ぜます。
EZ BassはDI出力を選んで、別のアンプシミュレーターを使うのが私流。
![](https://onodahiro.com/wp-content/uploads/2022/04/image-3.jpg)
今回はPlugin AllianceのAmpegSVT-VR Classicで音色づくり。
Cubase謹製のVST Bass Ampでもいいし、AmplitubeでもOK。
この手法、UJAMのバーチャルベーシストシリーズでも超有効なのでおすすめです。
で、EZ Bassさんがこちら。
ベースのバランスどり
今回は、Waves Element2が主役でEZBassが脇役。
なので、音量バランスにて適宜調整。
キックとのバランスにおいて、この曲ではサイドチェインまではせずともOKでした。
で、両方鳴らすとこんな感じ。
今回の記事の主役はベース
「Cubaseで楽曲制作! ベース作成 編 」がタイトルなので、
上物やリードフレーズ等のアプローチはまた別記事にてご紹介したいです。
さらに、MIXについてもあれこれ別記事を書きたいですね。
ホント、楽しいですよ、Cubase。
なお、この曲はオーディオストック用に作ったものなので、音圧はほとんど突っ込んでいません。
LUFSはINTEGRATED LOUDNESSで「-13.8LUFS」です。
まとめ
● Cubaseでの作曲は楽しく便利機能が満載!
● 今回はベースに限ってはEZ Bassさんを美味しく使わせていただきました
● EZ Bassのフレーズ作成機能は、ほんの少しの加工にてシンセベースで活用可能
● ベース音源にアンプシミュレーターは超有効
● Waves Element2はまだまだ現役の良い音源!
最後に
今回の記事の楽曲を、
よければフルでお聞きいただければ嬉しいです。
オーディオストックにアップロードしています。
(記事右上のオーディオストックのバナーから飛べます)
また、YouTubeにもアップロードしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!