はじめに
Cubaseを使って様々なジャンルやスタイルの楽曲制作を、日夜励んでいます。
そんな中で、常日頃大変お世話になっているCubaseの個人的感覚での美味しい使い方を、
皆さんと共有できればいいなあ、、、という視点で、
色々と記事を書いてみたくなりました。
今回は、ベースにフォーカスを当ててみます。
まずは完成形から(前半部分のみです、、、)
曲名は「春の昼下がりにビオラ音色とEDMテイストでまったりと」、、、
なんのこっちゃ?という曲名ですが取り急ぎお許しを。
楽曲の一部がこちら。
全体はよければこちらでお聞きください。
この楽曲の意図
- 春の昼下がりにボケーっとしてる様をイメージ
- 実際の作曲時は、少々白目で頭がゆる~い状態で作成
- 「フルートとバイオリンを使おう」と思いつき
- リズムは打ち込み系のEDMテイストが若干入ったもの
- ベースはWaves Element2を使う(Twitterで公言済み)
- エレキギターのロック要素も少々 → 散らかりすぎでこれはボツ
- 皆さんがリラックスして聞いてくれたら嬉しい
- 曲の最後は「目を覚ませ!」の演出で覚醒させるオチ
今回のアプローチ手順(ベース作成まで)
コードを作成
まず、Scalerを使って気に入ったコードワークを考えます。
私のCubaseでの制作テンプレートには、「MIDI Place」という「とりあえずのMIDI置き場」を用意しています。
ここにScalerからイメージに合ったコードをどんどんドラッグ&ドロップしていきます。
コードトラックを作成
「MIDI Place」あるMIDIの塊を選択して、
右クリックでCubaseの超優秀機能である「コードイベントを作成」を実行します。
そうすると、バッチリとコードトラックにコードが展開されます。
超カンタンで、バージョンアップの度に精度が向上して賢くなってる。
コードトラックを作成する理由
なぜコードトラックをわざわざつくるのか、、、
その理由は主に以下にて活用しているためです。
・メロディーライン作成時の時間短縮 → 修正が爆速
・ストリングス等のアレンジのガイド
・Riffer等の自動フレーズ生成プラグインを、転調等にしっかり追従させる
・Cubase付属のVariAudioでライン修正する際に活用
ドラムトラックを作成
Loopcloudにてイメージ合うリズムパターンを検索します。
今回のフィルタリングは「ドラム」「DeepHouse」「Loop」。
そして、基本となるリズムパターンを確定
↓
Cubaseのプロジェクトウィンドウにドラッグ&ドロップ
さらに、おかずパターンをLoopcloud上でザクザク加工
↓
良き出会いが来るまで「Random patten」ボタンを押しまくり
↓
Cubaseのプロジェクトウィンドウにドラッグ&ドロップ
ベースフレーズを作成
EZ Bassを美味しく活用
まず、MIDIのコードをEZ Bassにドラッグ&ドロップします。
EZ Bass上で、ドラムパターンと相性が良く、曲のイメージに合うフレーズをあれこれ捜索します。
この時は最高に楽しい!
「これだ!」というパターンが出てくれば、「Replace MIDI」ボタンにて確定。
そして、Grid Editorモードで、違和感のある所をガシガシ修正します。
この時に、コードトラックでモニターする音源として、
何でもいいので軽めのピアノ等の音源を立ち上げてコード音を鳴らします。
今回はお約束の「HALion Sonic SE」でコードの白玉を聞きながらベースラインを修正。
シンセベースを鳴らす
この曲の誓約事項である「Waves Element2を使う」ということから、
5年ぶりくらいに音源を立ち上げました。
KompleteKontrol(VSTi)上で立ち上げることが多いのですが、
これは、私が愛用しているMIDIキーボードのKompleteKontrol S61で、
既にフィルターやエンベロープなどの主要パラメータがアサインされており、
オートメーションが簡単にかけるためです。
で、TYPESから「Bass」を選択。
イメージに合いそうな音色を次々と捜索。
結果、今回は「Doll Bass」という音色に決定。
広がりがあって太い音色です。
少々、パラメーターを修正して、より好みの音色に調整します。
EZ Bassで作成したMIDIフレーズをWaves Element2で使う!
ここがこの記事のキモ!
EZ BassのMIDIフレーズのブロックをWaves Element2のトラックにドラッグ&ドロップ!
たったこれだけ。
ただし、いざ鳴らすともの凄く変なベースラインになります。
これは、EZ Bassのアーティキュレーションがかなりの低音領域に入っているためです。
よって、今回はWaves Element2のMIDIノートからC1以下を全選択して「Delete」ボタンを一発。
これで、EZ Bassとほぼ同じフレーズをWaves Element2で演奏します。
シンセベースの音色の調整
Waves Element2がこの曲のベースの主役。
でも、少し弱っちいので、低域の量感を増やすためにWavesのR Bassを活用。
本当にいい仕事してくれます!
そして、Waves Q10にてリズムのキックとかぶる部分をカット。
今回は、たったこれだけのトリートメントで完了です。
で、シンセベースのみがこちら。
EZ Bassにも少し鳴って頂く
せっかくなので、EZ Bassも少し混ぜます。
EZ BassはDI出力を選んで、別のアンプシミュレーターを使うのが私流。
今回はPlugin AllianceのAmpegSVT-VR Classicで音色づくり。
Cubase謹製のVST Bass Ampでもいいし、AmplitubeでもOK。
この手法、UJAMのバーチャルベーシストシリーズでも超有効なのでおすすめです。
で、EZ Bassさんがこちら。
ベースのバランスどり
今回は、Waves Element2が主役でEZBassが脇役。
なので、音量バランスにて適宜調整。
キックとのバランスにおいて、この曲ではサイドチェインまではせずともOKでした。
で、両方鳴らすとこんな感じ。
今回の記事の主役はベース
「Cubaseで楽曲制作! ベース作成 編 」がタイトルなので、
上物やリードフレーズ等のアプローチはまた別記事にてご紹介したいです。
さらに、MIXについてもあれこれ別記事を書きたいですね。
ホント、楽しいですよ、Cubase。
なお、この曲はオーディオストック用に作ったものなので、音圧はほとんど突っ込んでいません。
LUFSはINTEGRATED LOUDNESSで「-13.8LUFS」です。
まとめ
● Cubaseでの作曲は楽しく便利機能が満載!
● 今回はベースに限ってはEZ Bassさんを美味しく使わせていただきました
● EZ Bassのフレーズ作成機能は、ほんの少しの加工にてシンセベースで活用可能
● ベース音源にアンプシミュレーターは超有効
● Waves Element2はまだまだ現役の良い音源!
最後に
今回の記事の楽曲を、
よければフルでお聞きいただければ嬉しいです。
オーディオストックにアップロードしています。
(記事右上のオーディオストックのバナーから飛べます)
また、YouTubeにもアップロードしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!